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南アルプスから全国・世界へ。成長の土台は確かな技術と人材の力。

サンスター技研株式会社
ケミカル事業部 山梨工場長 杉山徹

更新日:2025年9月24日

山梨県生まれ。法政大学大学院修了。
2001年 サンスター技研入社。
2023年 ケミカル事業部 山梨工場長就任。
※所属や役職、記事内の内容は取材時点のものです。

身近な製品の安心・安全を支える、サンスター技研のものづくり。

サンスター技研は、車・住宅・電子材料などの分野において高品質な接着剤・シーリング材を提供する、技術ソリューション企業です。

自動車や住宅の強度を向上させ、安全性を高めるための厳しい品質要件を満たす材料を幅広く生産しています。

当社の事業は、グループ創業者であり自転車販売を営んでいた金田邦夫が、自転車のタイヤ用ゴムのりとそれを充填する金属チューブを製造したことから始まり、その後数々の事業を興して規模を拡大してきました。

サンスター技研は歯磨き粉で有名なサンスターグループの源流にあたります。本社は大阪府高槻市にあり、工場も以前は本社近隣にありました。

しかし、日本全国の取引先への製品輸送における利便性などを勘案し、1984年に山梨工場へと生産部門が移管されました。

BtoB領域でお客さまの要望に合わせた製品を数多く取り扱っており、一般にはあまり馴染みのないニッチな産業ですが、大手自動車メーカー、二輪メーカー、建築関連企業などを取引先として抱え、独自の技術とソリューションに強みを持っています。

生産・研究・海外拠点で培った、製品づくりに対する幅広い視点。

私は山梨工場がある南アルプス市(旧甲西町)に生まれ育ち、工場からほど近い甲西中学校に通っていました。

地元ですから、サンスターグループの生産拠点が山梨にあることは認識していたものの、具体的に何をつくっている会社なのかは知らないまま就職活動時期を迎えました。

大学が東京だった関係で、都内でも就職先を探していましたが、なかなか良いところが見つかりませんでした。そんなとき「地元にサンスターグループ会社の工場があったな」と思い出し、電話で連絡をしたのが当社と接点を持ったきっかけです。

生産技術職を募集しているとのことで、大阪本社にて採用試験を受け、生産技術職として山梨工場での勤務が決まりました。入社後は量産の工程設計業務を担当し、3年ほど経験を積みました。

その当時はサンスター技研がアジア圏やアメリカなど海外展開に力を入れ始めていた時代です。次は欧州に軸足を移すこととなり、私も協力会社での工程立ち上げの応援として、ドイツ・スイス・イギリス各国を回りました。

帰国後は大阪の研究所に異動し、自動車の接着剤の開発に携わりました。さらに山梨でも住宅関連の材料研究に従事し、それまでは生産の目線でのみ仕事を進めていましたが、さまざまな立場から製品ができるプロセスを把握する目線が養われ、非常に学びの多い時期だったと思います。

その後は品質管理業務、生産技術センターで工場全体を管理する役割、製造グループのグループ長を経て2023年9月に工場長を拝命しました。

現場を支える人材こそが、組織にとってかけがえのない資産。

私が現場のマネジメントにおいて心に留めているのは、「人なくして工場は成り立たない」ということです。

今の時代は人材確保が非常に難しくなったこともあり、人を育てながら工場も育て、持続的な繁栄につなげなくてはならないと考えています。

現在は工場全体の進捗管理に加え、各セクションの課長も兼任していますので、メンバーと寄り添いながら仕事を進めることが何より重要です。

立場が違えば意見やものの見え方も違うのは当然ですから、私自身がさまざまな部署で経験したことを活かしながら、一方通行でないコミュニケーションを心がけています。

工場にはおよそ100名のメンバーが在籍しており、私はほぼ全員のフルネームと顔を覚えています。

ただ、毎日全員と会話をするのは難しいので、ある程度は現場のリーダーに任せつつ、工場を回るときは積極的に声をかけて話しかけやすい雰囲気づくりに努めています。

また、大阪本社と山梨工場には物理的な距離がありますが、心理的にはとても近い存在です。執行役員や代表取締役は少なくとも月に1回は工場を訪れ、現場の意見に耳を傾けてくれます。

何か挑戦したいことがあったり、改善してほしい部分があったときも、声が届きやすい環境です。

私をはじめとする工場の運営サイドと現場のメンバーの精神的な距離が近いのはもちろん、本社ともつながりを感じながら働けるのは当社の大きな特長です。

関わるすべての人に「良かった」を届ける工場であるために。

山梨工場で一緒に働きたいのは、仕事への熱量が高い方です。その動機は人によって異なっていても、「私はこの目的のために働いているんだ」という情熱がある方はとても魅力的です。

加えて、面接では自分に自信があるかどうかも見ています。これまで取り組んできたことに対して自信を持って語れるか、仕事に誇りを持っているかどうかは、これからの未来に対しても同じ姿勢で臨める基礎となると考えます。

山梨工場では2024年、現場のメンバーが中心となって工場の事業計画を立てました。その大きな方向性として「お客さま・サプライヤー・物流を支えるトラックドライバー・社員など、関わるすべての人に喜ばれる工場を目指す」ことを掲げています。

お客さまに対しては製品の品質を上げ続けること、サプライヤーやドライバーに向けては「この工場に物を運んで良かった」と思っていただける場所、社員にとっては「私たちはこんなに良いところで働いている」と周りに自慢できる工場を目指しています。

すでに事業計画に則った具体的な取り組みが動きつつあり、社員も少しずつ方向性を意識し始めています。今後より良い工場にしていくためには、社員一人ひとりの声が非常に重要になりますので、受け身ではなく熱量高く自らの考えを発信し、行動に起こせる方を求めています。

地域や仲間とともに成長を続け、現場主導の進化を目指す。

サンスター技研では、グループが掲げる社是「常に人々の健康の増進と生活文化の向上に奉仕する」に従い、地元のお祭りへの参加や富士山のゴミ拾いなど地域貢献活動にも力を入れています。

またグループには「サンスター人の行動規範・8精神」があり、私が一番好きなのは「信頼し、信頼される人になる」という言葉です。

仕事は一人では完成しませんから、一方的に頼る、頼られるだけでは組織はうまく回りません。メンバーが一丸となって進むことが大事で、社員が互いに成長しあえるチームづくりを心がけています。

40年以上操業している山梨工場ですが、生産現場としてはまだ伸びしろがあり、今後は標準化や自動化を推進したいと考えています。

その過程では現場社員の発言やアイデアが重要な鍵を握る場面もあるでしょう。幸い当社は本社と工場のつながりが強く、意見を拾い上げる文化があります。

山梨発で変化を起こせる可能性があり、それが仕事のやりがいにもつながります。2024年に設定した事業計画「工場に関わるすべての人を巻き込んだ永続的繁栄」への挑戦は始まったばかりです。

サンスターの歴史と技術を大切にし、供給責任を果たしつつ、次の時代に合った工場へ進化していきます。

編集後記

チーフコンサルタント
渡邉 美和

「人なくして工場は成り立たない」という言葉が強く印象に残りました。

杉山さまのお話からは、社員一人ひとりを大切にしつつ、顧客やサプライヤー、物流を担う方々、さらには地域社会まで、関わるすべての人に「ここに関わって良かった」と思われる工場を目指す姿勢が伝わってきました。

現場の声を尊重し、本社とも連携しながら進化を続ける姿勢は、ものづくりの安心・安全を支える大きな力であり、働く人が誇りを持てる環境づくりにもつながっているのだと感じました。

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