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野菜を通して食卓を笑顔に。情熱を胸に「農業の新しいカタチ」を目指す。

株式会社サラダボウル
代表取締役 田中 進

更新日:2026年2月12日

山梨県生まれ。
1994年 株式会社三菱UFJ銀行 入行。
1999年 プルデンシャル生命保険株式会社 入社。
2004年 株式会社サラダボウルを創業。
※所属や役職、記事内の内容は取材時点のものです。

「やってみたい」という素直な気持ちに従い、農業の道を選んだ。

私はもともと農家の生まれなのですが、自分が農業に携わるとは思ってもいませんでした。私が学生だった頃は、「良い大学に進んで良い会社に就職すること」が人生の成功だとみんなが信じていた時代でした。

私もそれを疑うことなく、同級生の多くと同じく「地元を早く出たい。都会へ行けば自分の夢が見つかる」と思っていました。ましてや、農業を職業として選択することも、「農業がビジネスとして成り立つ」ことも想像できませんでした。

大学卒業後は銀行に就職し、仕事を通して多くの経営者と出会いました。その中で「成功は都会にあるわけではなく、都会にいれば勝手に夢が叶うわけではない」「企業の規模や業界・業種にかかわらず、創意工夫と経営者の情熱こそが事業をカタチづくる」と気づかせてもらったのです。

小さな町工場が現場改善によって素晴らしい成果を出している例を目の当たりにしたとき、「農業も他の産業と同じように情熱と工夫で大きく変わる」と考えるようになりました。農業に対して抱いていた先入感は徐々に消え、逆に農業の大きな可能性を感じるようになっていきました。

そんな想いが創業のきっかけです。純粋に自分がやりたくて始めた農業なので、大きな決断というよりは想いに突き動かされて自然に一歩を踏み出し、サラダボウルの起業に至りました。

農業の大規模化は目的ではなく、社会的要請に応えた結果。

サラダボウルは、全国各地や海外の複数の拠点で農場を運営しています。生育環境を統合的に制御する最先端の大規模グリーンハウスで作物を育て、ICT・AI・ロボティクスといった技術を積極的に導入する独自の生産管理メソッドを確立しています。

はじめから「大規模化」を目指していたというよりは、日本全国に遊休農地が増え「農地を使ってほしい」という声を多くいただいたことがきっかけでした。

つまり、農業の担い手不足などの社会課題から生まれる社会的要請に従い事業展開をしてきた結果、大規模化につながったのです。

80人以上の地権者の方々から120超の農地をお借りする体制から始まって、地域の要請に応えるカタチで事業を展開してきました。加えて、消費者の要請にも十分に応える必要がありました。

「スーパーなどの小売店が売りたいときに売りたいものを安定供給する」「家計に無理なく買える値段で、質の良い野菜を届ける」、そして「農業を職業にしたい人が安心して誇りを持って働ける環境を整える」といった社会的要請に応えられる農場づくりが必要不可欠でした。

地域の課題、消費者の要請、生産者の課題。これらすべてを解決した先に、大規模農場というカタチが自然と生み出されました。

農業の新しいカタチとは、時代の流れに合わせ変化し続けること。

私たちが目指すのは「農業の新しいカタチをつくる」ことです。これは定まっている何(What)かではなく、時代ごとに変わる社会的要請に応じてカタチを変えるものだと考えています。

震災やコロナ禍などの環境変化、働き方や働く人のニーズの変化――ここ数年だけを見ても社会は常に変化しています。だからこそ私たちも変わり続けなければいけません。

ただやみくもに「カタチ」を変えるわけではありません。私たちには、5つの大切にしたい価値基準(Values)があります。

「安心して、誇りを持って、長く働ける仕事にしたい」「最善をつくして、あるべき姿を実現したい」などの価値基準に沿って、どの判断や選択が私たちの描きたい風景に近いのか、どうすれば農業という手段で社会的要請に応えられるのかを常に考えています。

当社のキーワードに「当たり前な幸せな日常」という言葉があります。食卓で家族の笑顔が生まれ、会話に満たされる風景は、サラダボウルがつくり出したいものの一つです。

社会インフラの一つである「食」の一翼を担いながら価値を提供し続けることが、私たちの在りたい姿です。

社員と共に育つ組織。成長を押し付けないが、支援は惜しまない。

サラダボウルでは、社員を育てることを人材育成ではなく「成長支援」と呼びます。成長したい人には支援を惜しまず、機会も用意する。

一方で、私たちは「成長」を画一的な義務とは捉えていません。成長の過程では、時に悩み、葛藤し、壁に直面することもあります。

一人ひとりのその時の状況や成長速度にあわせ、必要に応じて環境を整えたり少しだけ手助けをしたりする。一人ひとりと向き合い、お互いがリスペクトしながらかかわり合える関係を大切にしています。

サラダボウルでは3カ月に2度、各社員とその上長とで面談を行っています。

そこで「もっと成長したい」という希望があれば、OJTとしてメンターがついて目標設定やキャリアプランを一緒に描き、農場長が個人の能力やスピード感に合わせて成長の方向性を一緒に設計していきます。

互いの信頼関係があって初めて踏み込んだ支援ができるので、日常的にできるだけ接触頻度を増やし、必要に応じて接触濃度を深め、気軽になんでも相談できる環境を作っています。

例えば本人が「5年後に農場長になりたい」と言うなら、そこから逆算して課題や足りないスキルを共有し、どうすればたどり着けるかを一緒に考えます。

私自身も、希望者とは3カ月に1度面談を行っていますので、社員一人ひとりにとってベストなサポートができるよう伴走することを意識しています。

加えて月に1回、全社員をオンラインでつなぐミーティングとその内容を振り返るフォローアップ研修を実施しています。

当社のミッション・バリューズを社員に共有する場を数多く設け、選択に迷った際に会社の価値観に立ち返える必要性などをさまざまな切り口で伝えています。

その過程で各人の個性が存分に発揮され、一人ひとりが活躍できるチームをつくりたいと考えています。

互いに響き合う採用を目指し、価値観を起点に仲間を集める。

採用で私たちが最も重視するのは、「価値観」です。仕事は人生の多くの時間を費やす大切な一部。すべての社員にとって人生や働く時間が充実したものとなるためには、同じ想いを抱いて進む仲間が不可欠です。

サラダボウルには「7つの求める人材像」がありますが、すべてを満たしている必要はありません。突出した強みがあればそれも立派な個性ですし、バランスよく備わっていればそれもまた個性です。

面接では対話を重視し、幼少期のこと、これまでに熱中したこと、人生で一番ワクワクした経験など、その人の心の奥底にある「大切にしてきたこと」を聞いています。

「過去にどんな経験をしたか」とあわせて「そこで何を感じ、どう行動したか。何を学んだか」を知りたいのです。肩書きやキャリアではなく思考や姿勢を深掘りし、個人の魅力を見出すことに努めています。

そして面接に来られる皆さんにも、ご自身の目指す未来がサラダボウルの進む道とマッチするのかどうか、ぜひ判断してほしいのです。

そのために候補者の皆さんにはインターンシップへ参加してもらい、現場の従業員と一緒に仕事をしたり、質問したりできる場を設けます。

会社のありのままの姿を見てもらい、長く働く場所としてふさわしいかを確認してほしいと思います。

「仕事は遊び」全力で楽しみながら農業の新しいカタチをつくる。

創業当初から一貫して、「自分たちがやりたいと思う農業をした結果、それが地域や社会の役に立ったら最高だ」という考え方をしてきました。

もちろん、私たちの社員が住む日本の全国各地がもっと良い地域になればこんなに嬉しいことはありません。

私たちは農業がしたいからやっていて、「どうせやるのならその先につながる農業をしたい」という想いでこれまで歩んできました。

仕事はみなさんの人生の手段でしかありません。だからこそ、義務ではなく遊びのように楽しめた方がいい、「大人が本気で仕事で遊ぶ」というのが私たちの持論です。

気の合う仲間と同じ船に乗って互いに助け合い、同じ景色を目指して夢中になって進むことができたら、これほど幸せなことはありません。

私たちが用意しているのは人生を豊かにするための一つの舞台にすぎません。

サラダボウルという舞台で自分の力を発揮したい方、農業という手段で社会的要請に応えながら新しい価値を共につくりたいと思ってくれる方と、一緒に歩んでいければ嬉しく思います。

編集後記

チーフコンサルタント
渡邉 美和

田中社長の「自分たちがやりたいと思う農業をした結果、それが地域や社会の役に立ったら最高だ」という言葉がとても印象的でした。

社長をはじめ従業員全員が自分の人生と向き合い、人生を充実させようとしており、その一つの手段がサラダボウル社で働くことであり、それが結果的に社会や地域のためになっているのだと感じました。

仕事はそのものが目的ではなく、人生の中の一つの手段という考え方に私もとても共感しました。

また、会社として一人ひとりの「成長支援」をしてお互いにサポートしている会社風土で、個人が尊重されつつ、大きな船をみんなで漕いでいく、その結果みんなが幸せになれるという姿はとても素敵だと思いました。

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