2025.02.28
【山梨から世界へ】切り花に特化した総合種苗メーカー「株式会社ミヨシグループ」
リージョナルキャリア長野のコンサルタント、太田です。
突然ですが、「切り花」をお求めになったことはありますか?ちょっとした花束なら2,000円くらいから手軽に購入できるこれらの切り花、実はその世界市場規模は約2兆円にも達しています。さらに、10年後には約3兆円規模に拡大するとまで言われているのです。
今回ご紹介する山梨県の企業は、切り花用種苗のグローバルメーカーとしてオリジナルな品種の開発・供給を行う株式会社ミヨシグループです。この記事では、同社の取り組みを深掘りし、その魅力に迫っていきますので、山梨県へのU・Iターン転職を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。

(左から 弊社代表 江口/同社 代表取締役社長 三好様)
株式会社ミヨシグループの概要
【拠点】
本社:東京都世田谷区八幡山2-1-8
八ヶ岳管理センター:山梨県北杜市小淵沢町上笹尾3181
【創立年】
1949年
【従業員数】
439名(グループ全体)
【売上高】
56億円(グループ全体)
【グループ企業と事業内容】
株式会社ミヨシグループ
持株会社。グループ全体の経理・人事・資産・情報などを管理する。
株式会社ミヨシ
組織培養や新技術などを用いた切り花種苗の新品種開発、生産販売を行う。
株式会社エム・アンド・フローラ
国内外の鉢物・花壇種苗の生産販売、花・野菜類のプラグ苗の自社生産を行う。
三好アグリテック株式会社
組織培養の技術を活かした栄養繁殖系・種子系野菜種苗の生産販売を行う。
※株式会社ミヨシグループ公式サイトhttps://www.miyoshi-group.co.jp/
※掲載している企業情報は、公式サイトおよび当社の取材に基づくものです(2025年2月時点)。
オリジナル品種を中心に1,400以上もの品種を提供
ミヨシグループは、機能別に分かれた4つの企業体で、切り花・鉢花・花壇苗・野菜の品種開発および種苗の生産・販売を行うグローバルな種苗メーカーです。そしてここ山梨県には、ヨーロッパの田園風景を彷彿とさせる雄大な八ヶ岳の麓に同社の開発・生産・販売の拠点である八ヶ岳管理センターがあります。
もともと17世紀のヨーロッパで始まり現在は世界中に広がっている花の消費。世界に流通する切り花の約半分はオランダで、その他は赤道直下で花の育成に適した気候の国々で主に生産されています。日本の切り花の輸出額は2023年で約17億円ほどですが、年々輸出額は伸びており、オリジナルの品種開発に取り組む同社の今後にも期待がかかります。
同社は、花卉(かき)事業において、切り花用の育種・育苗に特化しています。創業以来取り組んでいる「組織培養」の技術は、フラスコ内で無菌状態で植物細胞を増殖させる方法であり、同社の強みは無病苗の安定供給を維持している点にあります。また、新品種の開発にも意欲的で、生産する種や苗のクオリティは市場でも高く評価されてきました。オリジナル品種を中心に1,400以上もの品種を提供しており、その多彩なラインナップは非常に魅力的です。
さらに、野菜や果物の自社生産も行っており、国内有数のイチゴ苗の生産体制を有しています。同社は世界で初めて白いイチゴを開発し、最近では国内企業初の種から栽培できる「ベリーポップシリーズ」をリリースしました。こうしたチャレンジングな姿勢も同社の特徴であり、大きなやりがいを実感できる環境と言えるでしょう。
「種苗業界の先駆者」としての取り組みと今後の展望
ミヨシグループは、2022年に「やまなしSDGs登録制度」の推進企業として登録された、持続可能な開発目標に積極的に取り組んでいる企業です。同社は「種苗業界の先駆者」として、SDGs活動を実践していくためのテーマを3つ設けています。
1.だれもが働きがいのある会社を目指す
■働きやすい環境づくり
障害者や高齢者も働きやすく、全ての従業員が個性を発揮できるよう職場環境を整えています。
■地域社会への貢献
技能実習生の積極的な受け入れや海外農場での新たな雇用創出など、さまざまな取り組みを通じて、地域社会の発展を目指しています。
2.2050年カーボンニュートラルを目指す
■脱化石燃料
石油や石炭の使用によって排出される二酸化炭素が温室効果ガスの中で圧倒的に多いとされており、これら化石燃料の使用を、2030年までに30%削減する目標を掲げています。
■ペーパーレス化
コピー用紙の使用で発生する二酸化炭素は、約1,520kg/t(用紙重量)と試算されています。同社では2030年までに紙使用量の50%削減を目標として設定しています。
■脱プラスチック
プラスチックは石油から原料を作る際と、リサイクルで焼却する場合に二酸化炭素が発生します。そのため、2030年までにプラスチック使用量の50%削減を目指しています。
3.環境負荷低減を目指す
■化学農薬使用量の削減
2050年までに化学農薬の使用量を50%低減する目標に向け、2030年までに30%削減を目指しています。
■化学肥料使用量の削減
2050年までに化学肥料の使用量を30%低減する目標に向け、2030年までに10%削減を目指しています。

(インタビュー風景)
今回、代表取締役社長の三好正一氏にインタビューさせていただきましたが、同社が手掛ける農業は社会問題のひとつにもなっており、SDGsに対する問題意識を自身の課題として捉えているのがとても印象に残っています。
また、企業としての成長には海外市場でのプレゼンス強化が不可欠です。同社は、今後も花卉や野菜の種苗を世界中に輸出し、特にイチゴの苗については世界一の輸出量を目指しています。「種苗は知的財産であり、産業として非常にインターナショナル」とポジティブに語る社長の言葉からは、同社の種苗を世界中に広めたいという熱意がひしひしと伝わってきました。
三好社長のインタビューでは、他にもご自身が社長に就任するまでの経緯や植物を扱う仕事のやりがいなど、興味深いお話をいろいろと伺いました。ぜひ下記からご覧ください。
企業TOPインタビュー【山梨】株式会社ミヨシグループ - U・Iターン転職ならリージョナルキャリア山梨
株式会社ミヨシグループの求人情報
現在、ミヨシグループでは生産管理や海外営業に携わる人材の中途採用を行っています。
※「2025年2月28日」時点の求人情報となります。閲覧されるタイミングによっては掲載が終了している場合もございますので、あらかじめご了承ください。
リージョナルキャリア山梨は、株式会社ミヨシグループと連携し、最新の採用情報をご案内いたします。同社に興味をお持ちの方や山梨県で農業に関わるお仕事がしたいという方は、ぜひリージョナルキャリア山梨にご相談ください。